一.雄大な室見川
福岡市の西南部に位置し、博多湾に向かって扇形に展開する早良平野は、背振山に水源を発して北流する室見川によって形成された沖積平野です。
室見川東岸地域には、戦国時代古城跡、名勝に指定されている庭園、国宝の梵鐘、中世の石塔など各種の文化財が点在しています。
①有田遺跡群
早良平野のほぼ中央の独立丘陵に位置する旧石器時代から近世にかけての複合遺跡です。
特に弥生時代はじめ頃の環濠は、長径300m、短径200mの大規模なもので、濠断面はV字形をなします。
また講倫館高校地内では細形銅戈、遺跡西部では銅鏡2面(前漢鏡・小形製鏡)がいずれも甕棺墓から出土しています。
②四箇遺跡群
標高22m前後の微高地とその周辺に営まれた縄文~古墳時代の複合遺跡です。縄文後期の集落が発見され、また泥炭層から漆器、
マメ・ヒョウタンなどの種子が出土したことは、縄文時代の生産、技術などを再考させる一例となりました。
③妙福寺庭園
この庭園は、寺の西南側、書院の前を流れる自然の小川(金屑川)を利用して造られています。
川の砂を掘り上げた起伏の豊かな築山の周囲の奥深い石の配置などが印象的です。